150 衝角の使い方
 
※衝角(ラム)
初期の軍船の攻撃装備で、本来はオーク船のもののようなむき出しの刃物ではなく、
水線下に装備され、竜骨に直結した前向きの丈夫な出っ張りであることが多い
敵船のオールをへし折ったり、側面に体当たりして浸水させて沈めるのが主な使用法だが、
白兵戦を挑むときに乗り移りやすいように船同士を固定する役割も果たした
大砲が未発達で、帆やオールで航行していた時代には敵船を沈めることのできる唯一の手段であり、
切り札的存在であったが、使用する際は自船も損傷する覚悟が必要であった
木造の軍船(ローマのガレー船など)の時代から近代(日露戦争)の鋼鉄の戦艦まで
長きにわたって装備された稀有な兵器である(戦艦「三笠」も衝角を装備していたが使用されていない)
近年、軍艦のステルス性能が向上したため、夜陰に乗じて自船より小さな敵船を
「轢き逃げ」するような戦法が考案され、衝角の存在が見直されている