プロローグ
〜未完成の納経帳〜 
 わたしの父は37歳の時に四国八十八ヶ所を巡っている
恐らく興味本位で始めたのだろう 家には掛け軸、朱印を押した白衣、すべてのページが埋まった
納経帳など八十八ヶ所を巡った記念の品が残されている
その後うちの家教はいつの間にか真言宗になり、子供だったわたしも少なからず影響を受けた
遠い記憶だが、あの頃は家族の幸せがあった・・・
父は亡くなり、わたしは実家を引き払って二度引越しをした
二度目の引越しの時、父の残した満杯の納経帳の他に、もう一冊別の納経帳があることに気がついた
開いてみると、ところどころ印をもらっているものの、ほとんど白紙の部分が多い未完成品だった
次の瞬間、わたしはハンマーで後ろ頭を殴られたような衝撃に襲われた
思い出した・・・ 父はあれから四国八十八ヶ所の二周目を始めたのだが、なんらかの理由で途中でやめてしまったのだ
そして、まだ子供だったわたしにこう言い残したのだ
「後はお前がやれ」 ・・・・・すっかり忘れてた
そこでまた、ムズムズと旅の虫が騒ぎ始めた
父の供養のためにも、この納経帳のページを全部埋めてやりたくなったのだ

今回はいつもの旅仲間「ふ」氏も同行することになった
彼には少々事情があり現在休職中である 「水曜どうでしょう」ファンである彼はこの機会に八十八ヶ所を巡ってみたくなったそうだ
わたしも無類の「どうでしょう」ファンであり、ムンクさんを連れて和歌山に行ったりした身なので
彼の気持ちはよくわかる ・・・が、実際巡ってみると、あの番組の過酷さを身を持って味わうことになるだろう
いささかお粗末だが、ちょっと重いものを抱えたわたしと、完全観光気分の「ふ」氏は
まだ春遠い四国へと旅立つことになったのだ

このホームページもムンクさんの関係で「どうでしょう」ファンの方が見ていらっしゃるようなので
この機会を生かして四国八十八ヶ所シリーズのロケ地の検証をしてくることにした
どうでしょう的情報として掲載するのでなにかの参考にして頂きたいw
シリーズは三本あるので仮にT・U・Vとして、その中で「彼ら」が番号とお寺の名前を叫んだ場所をそれぞれ実際に行って探してみることにした