プロローグ 〜それは単なる思いつき〜
・・・・なんだってこんなことを思いついたのか。

わたしが現在のトッポBJに出会ったのは3年前のこと。
その前はノンターボでオートマチックのトッポBJに乗っていたが、これがひどいシロモノで
とても旅に出ようという気にはならなかった。
トッポBJの売りである広さやスタイルは気に入っていたのだが
やたらと壊れるクルマだったのだ。
特に足回りが弱くホイールハブベアリングは四輪とも逝った・・・
もう二度とトッポBJに乗る気はなかったが、後継機を探しているときに
マニュアルミッション5速でDOHC20バルブ インタークーラーターボつきの中古車を
ネットで見つけた。
さっそく現車を見に行くとそのクルマは店頭になかった
店員に聞いてみると ネットに掲載してても反応がなかったのでたった今
業者オークションのプール(クルマを集めて置いておくところ)に持って行ったという
せっかく来たので店員の案内でオークションのプールに向かった

そいつはあまりにも程度が良かった。
業者オークションで5点満点で4.5点という評価点がついていた
「ターボつきならまともに走るんじゃないか?」と思いもう一度トッポBJに賭けてみることにした。

こうして現在のトッポBJは我が家へやってきた。
乗ってみると動力性能に車体や足回りが完全に負けているクルマだった。
特に足回りはフニャフニャで、コーナリングは普通に進入しても危険極まりなかった。

そこであちこちいじり始めた。
最初はただ「まともに走れるように」という目的に過ぎなかったが
足回りと車体をある程度固めると素直に曲がるクルマに変貌した。

「こいつならいけるんじゃないか?」と、思うようになった。
そこであるコンセプトを立てていじっていくことにした。

「長距離快適ツーリング軽」

シート・ナビ・レーダー・タイヤ・電装系・点火系・吸気系・排気系
・・・と、あくまで「長距離でも快適」を目指して改造を施していった・・・。

そして2年が過ぎ、ようやく自分の思い通りのマシンに仕上がった。
ずいぶん勉強代も払ってしまったが、失敗した分は賢くなったと思う。w

・・・・・わたしはかつて自衛隊員として東千歳駐屯地に約2年間住んでいた。
そして任期満了(陸上自衛隊は一任期 二年間)で退職するとき、ある失敗を犯した。
「どうせすぐまた来れる」と、北海道のどこも観光せずに広島に帰って来てしまったのだ。
だが広島に帰ってみると北海道はあまりにも遠かった。
2007年10月に、たまたま社員研修で北海道に行く機会ができるまで
ついに行くことができなかったのだ。
社員研修でひさしぶりに訪ねた北海道はすばらしかった。
札幌・小樽・定山渓 一泊二日という強行軍だったにもかかわらず、これまでしてきた旅の中で
最も充実したものになった。
空気が合う。地の気が合う。旅しているというより「帰って来ている」という感覚だ。
わたしは今まで来れなかったことを悔いた。
チャラチャラ海外なんか行ってる場合ではなかったのだ・・・

・・・・うちの会社は盆休みがない。
なのでその分事前か事後に夏休みを取る制度になっている。
今年2008年、わたしは夏休みを5月ごろに取ることになった。
そのときふと思いついた。
東千歳駐屯地の創立記念行事が
5月25日(日)に開催されるとの情報を得ていた。

「この機会に自力で北海道に行ってみるか」
そう思った次の瞬間・・・・・・

わたしの頭の中を、うちのトッポBJが右から左に駆け抜けていった。

今こそ試すときじゃないか。「長距離快適ツーリング軽」の実力を!

・・・・と、いうわけで、夏休みだけでは足りなくて無理やり有休を2日継ぎ足して
「広島〜小樽まで軽自動車で陸路で行く」という無謀な旅は実行に移されたのであった・・・。


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