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・・・ついにこの日がやってきた
長い間くすぶっていた
「端っこの旅」の決着をつけるために
わたしとトッポちゃんの最後の旅が始まるのだ
最初の「無謀な旅」以来の緊張感と
ワクワク感でわたしの体は満たされている
人間もクルマも気合十分!
12:00 自宅駐車場 発
いざ!出陣!!
・・・おっと
ナビセットしてなかったわ・・・
こうして見事に勢いは削げるのであった・・・
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今回のルートは
まずフェリーで一気に北海道へ上陸
南下して北海道最西端尾花岬を目指す
その後
南下して函館で「やり残した観光」を片付けて
フェリーで津軽海峡を渡る
ここからは「機会がないと行けそうにない端っこ」を
辿りつつ南下していく」
まず
青森港から日本海側の秋田県の男鹿半島へ
そして東北を横断して宮城県の牡鹿半島
南下して千葉県の犬吠埼
さらに南下して千葉県の野島崎
フェリーで東京湾を横断して箱根を越えて
静岡県の御前崎
西に向かい愛知県の伊良湖岬へ
そこからまたフェリーで三重県の鳥羽に渡り
最後に伊勢神宮に参拝して
高速道路で帰宅する予定だ
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舞鶴に行く道は
いつもなら高速道路を繋いで行くか
日本海側に出て国道9号線をひたすら
東に向かうルートをとるのだが
どうせなら「通ったことのない道」で行ってみようと
思い立った
地図を眺め回していると
倉敷市から中国地方を斜めに横断するかたちで
舞鶴の近くの朝来(あさご)市まで伸びている
国道429号線を見つけた
フェリーの出港は0時5分
時間はたっぷりある
・・・しかし
この思いつきのせいで
またもや初日からハードランになろうとは
神ならぬ身の知る由も無し・・・
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国道2号線を東へと進む
今回は宿に泊まらずオール車中泊になる
なぜならお金が無いから。
突然の旅立ちだったので
資金を用意するヒマも余裕も無かったのよ・・・
なので
ルートもなるべく一般道を辿るつもりだが
時間的切迫や体力的な問題があるときは
躊躇なく高速道路を使う方針だ
その際もなるべく深夜割引とかにひっかかかる
時間帯で・・・
問題は
風呂に入れるかどうか・・・・
なるべく機会を見つけて入るようにしたい
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13:00 尾道市 通過
実は他にもいろいろと問題がある
まずは
肝心の最終目標地点 北海道最西端 尾花岬だ
道路が完成したとはいえ
尾花岬そのものに行けるわけではない
その近くまで行けるというだけなのだ
なので
どういうかたちで「到達した」と納得するか・・・なのだ
「端っこの旅」の到達ルールである
「端っこから2km以内」に入ることで「到達」とするべきか
それとも
あらゆる手段でできるだけ接近するべきか・・・・
こればっかりは行ってみないとなんとも言えない状況だ |
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もうひとつ
首都圏近郊は道の駅が極端に少ないということだ
東京都に至ってはひとつもない
茨城県や千葉県にはあるが
神奈川県は箱根まで行かないとない
この空白地帯が車中泊にどんな影響を与えるのか・・・
また
道の駅があっても
トラックの集団に占領されてたりしたら
とても寝られる環境ではない
いざとなったら
そのあたりのコンビニの駐車場とか道端で
「ここをキャンプ地とする!」
と言わなければならないかもしれない
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の |
14:31
分岐点に到達
ここからいよいよ
未知のルートである国道429号線に乗る
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最初はなんでもない市街地からスタート
しかし
かなり山奥を通るルートなので
穏やかなのは今のうちかもしれないな・・・ |
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倉敷駅の近くを通過
青カンに「吉備路」って書いてある
「○○街道」とか
名前がついてる道ってなんかいいよね・・・ |
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信号待ちの合間に
ショーウインドゥに写るトッポちゃんを撮影する |
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突然事故現場に遭遇
4台がからむ追突事故だった
「明日はわが身」と気を引き締める |
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途中
セブンイレブン 倉敷西坂店に立ち寄り
コーヒー180円と
スポーツドリンクを買い込む
景色はどんどんのどかになっていく
9月の上旬なのに
もう秋空っぽくなってきたなぁ〜 |
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おっ!
ガソリンタンドの屋根の上に
巨大なタヌキ?!
たくさんのロープで固定されて
まるでガリバー状態
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道はますますのどかな田園地帯へと入っていく
実りの秋だねぇ〜
もう稲刈り寸前というところかな
時々他の国道と合流したり
また別れたりしながら
国道429号線は続く |
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最初の峠に差し掛かる
現代の燃費最優先の軽自動車では
きつい峠だろう
しかし
燃費度外視・パワー最優先で設計された
エコからは程遠いトッポBJは
少々の峠道程度では小揺るぎもしない
・・・・その分しっかり燃料を食うが
とにかく
ずっとこのくらいの道幅であれば
楽に国道9号線まで出られるだろう |
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・・・・気のせいかな?
どんどん「のどか」を通り過ぎて
すっごい「山奥」になっていくような・・・
いやいや
「国道」なんだから
県道みたいにひどいことにはならないだろう!
・・・そう思った瞬間
脳裏に「酷道」という言葉がよぎる
せっかく知らない道を通っているのだから
景色を素直に楽しもう
日本昔ばなしに出てくるような
山の中腹の民家がなんともステキ
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生野ダムの建設で生まれた銀山湖のそばを通過
この付近では国道429号線が工事中なので
少々狭い対岸の迂回路を通ることになる
建設中の橋は8割方完成しているようだ |
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津山市に入る
いつも高速道路で通過するだけの街
一般道で入ると新鮮だなぁ〜
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美作というと
剣豪 宮本武蔵の出身地として有名
ゴルフ場も武蔵の名を誇らしげに冠している
あちらこちらに
武蔵ゆかりの地が点在していて
歴史好きや吉川英治ファンにはたまらんでしょうな |
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津山市街を抜けたあたりから
いよいよ国道429号線が
もうひとつの顔
「酷道」の様相を呈してくる
このあたりではまだ
「あー、登ってるなぁ」程度だったのだが・・・ |
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どんどん道幅は狭くなり
標高は上がる一方・・・ |
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あらあら
1.5車線?
狭くないですか?
でもまあ
この程度なら四国とかだと当たり前にあるし・・・ |
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そしてついに
道幅は林道レベルまで縮小
これは・・・1.2車線というべきか?
さあ始まりました
恐怖の「夕暮れ峠越え」の時間ですっ!! |
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それでも
対向車も少なく
路面状態もなんとか普通に走れる程度で
何事もなく一宮町までたどり着く
峠を下ると集落があり
多少道幅も広くなる
そしてまた峠に至る坂道を登り
クネクネと狭いワインディングロードを超えて
また集落に降りて行く
この繰り返しがしばらく続く |
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しかし
その先には止めの一撃が待っていた
高野峠というところに差し掛かった時
「大型車通行不能」の看板が目に入った
嫌な予感・・・・
進むにつれ
これまでにない道幅の狭さと急勾配
おまけに路面も荒れてきた
木の枝や石がゴロゴロ転がっている
そしてついに
「舗装されてるだけの林道」レベルまて達した!
おいおい・・・ホントに国道か?
途中
トッポの大きさでもギリギリでしか曲がれない
カーブがありヒヤリとさせられるシーンもあった |
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地図で見ると
そんなに狭そうには見えないが
幅はほぼ普通車一台分だ
対向車をかわせる場所もあまりない
矢印の場所が
トッポでギリギリでしか曲がれないカーブ
カーブというより
「道路が絞ってある」って感じだな・・・・
とにかく
大型どころか
普通車のミニバンとかでもかなり苦しい道だ |
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ようやくメチャ狭い高野峠を越えた
国道9号線との合流地点までもうすぐだ
最期の峠を下っていると
ガタン!!
車体が激しく揺れた
なんだ?工事の埋め跡か?
続いて
ガタン!! ガタン! ガタン!! ガタン!!・・・・・
と一定間隔で衝撃が走り続ける
よく見るとスピードダンプ(速度を落とさせるための起伏)が
連続して設置されていた
スピードダンプの起伏の高さが通常のものより高いようだ
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地図で見るとこのあたり
大腸のごとくのたうってますなぁ・・・・
日本のスピードダンプは
ビリビリ振動が出たりボコボコと揺れる程度が普通
走り屋のローリング走行防止のためだろうが
ここまで突き上げの衝撃を与える必要あるのか?
それとも
ここまでやらないと峠の小僧どもを追い払えなかったのか・・・・
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「ホントにこの道は国道なのか?」
「道を間違えたんじゃないか?」と
何度も疑ったが
時々現れるルート表示を見て
もはや唸るしかない・・・・
これで国道かよ!
朝来(あさご)市まで出た
このあたりは
読みにくい地名が多い
養父と書いて「やぶ」・・・とか
朝来インターチェンジの前を過ぎると
広い二車線の道がずっと続くようになった
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19:00
ジェイ・アクロス朝来SSで給油
走行距離304.5km
給油量 21.75リットル
燃費 14.0km/リットル
,燃料単価 156円/リットル
峠越えが続いたから
燃費もいきなりガタ落ちだ
エアコンもかけてたから余計に食っただろうな
バッテリーも最近短距離走行ばかりで
充電不足だったのでこれも影響しただろう
うちのクルマは電圧が下がると露骨に走らなくなるので
わかりやすい
しかし
こんだけ走ればたっぷり充電できただろう
19:05 発 |
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酷道・・・いや
国道429号線は朝来市内で終わり
ここから国道312号線に乗り北上
和田山で国道9号線に合流
まったりと舞鶴を目指す
いやー
ふつーの道ってありがたいなぁ〜
遅いトラックの後でもぜんぜん苦になんないものぉ〜 |
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竹田城跡の看板発見
「日本のマチュピチュ」とか「天空の城」とか呼ばれる
有名な城跡だ
小高い山の上に残る城跡が
霧の海に浮かぶ姿は幻想的だろうなぁ
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さて
いよいよ舞鶴市内に入った
初日のリエゾン(移動区間)なのに
ここまで苦労して来る必要あったのか・・・?
まあ
少なくとも退屈はしなかった
それに
明日は一日中船の上なのだから
ゴロゴロ寝てればいいし
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舞鶴市内をグリグリと右左折を繰り返しながら
ようやく見覚えのある場所にたどり着いた |
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20:42 舞鶴港
フェリーターミナル 着
やっと着きました〜 |
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・・・と
乗船手続きでトラブル発生!
フェリーの出港時間が0時5分であることを忘れて
予約を前日・・・つまり9日の便で取ってしまっていた!
つまり
0時5分発だから
10日の便で予約しなければ今夜の便に乗れないということだ
まずい・・・
なんという痛恨のミス
しかし
そこは柔軟な新日本海フェリーさん
こういうことはよく起こることらしく
予約を今夜の便に繰り上げてくれた
というわけで
今夜旅立てます!
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安心したら腹が減ってきた
そういえば昼も食ってなかったな・・・
ターミナルのレストランで遅い夕食
トンカツ定食 750円
おいしかったよ
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トッポを乗船待機場所に移して
車内で一息入れる
いつもはここへ帰ってくるだけだが
ここが出発点になると同じ船旅でも新鮮味があるというものだ
日中に北海道に近づくので
良い景色も見られるんじゃないかな |
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ぼんやりと積み下ろしを見ていたら
自衛隊の車輌が列を成して下船してきた
どこの部隊だろう?
北海道で演習でもあったのかな? |
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今回の船は「はまなす」
これで「あかしあ」と「はまなす」2回ずつ乗船ということになる
何度乗っても「良い船だなぁ」と思う |
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11:20頃
バイクの積み込みが始まる
わたしがバイクに乗っていた頃は
「みつばち族」などと呼ばれ
北海道にツーリングに行くのは一種のステータスだった
最近
バイク人口が全盛期の3分の1になったというが
それでも北海道ツーリングはライダーの憧れであることに
変りはないようだ |
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11:30 積み込み開始
乗るぞー!!
そして一杯飲って寝るんだー!!
もう
疲れちゃってます・・・ |
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自動車は船の中に頭から入って
中でぐるっと90度旋回して
頭を入り口に向けて駐車する
船の中央に歩行者の通路があるので一時停止 |
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駐車完了
じゃあ
明日の夜まで
おやすみトッポちゃん |
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ひさしぶりに乗るのに
なんだかなつかしい気がする
さっそく
なつかしの「はまなす」船内のチェックといきますか
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中央の階段も
あいかわらずピッカピカだ |
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サイドデッキもそのまんま
椅子と照明がちょっと変ったかな? |
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オープンデッキも
変りはない・・・
いや
あんまり変って欲しくない
ここは唯一
航行中に外に出られる場所
今回も長い時間をここで過ごすことになるだろう |
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0時5分
定刻どおり舞鶴港を出港
「いよいよ旅が始まったなぁ・・・」と
ここで初めて実感する
・・・ここまではあくまでリエゾンだし |
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サッポロクラシックと枝豆で一杯
このビール
広島では北海道物産展でもない限り
気軽に買うことが出来ない
一番手軽に感じられる
「北海道の香り」だ |
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今回
大きく変った点がひとつ
それは船室だ
かつての2等船室が廃止され
「ツーリストA」というランクになった
板の間のザコ寝部屋ではなく
各自にベッドが与えられる
前に乗った時にS寝台というクラスがあったが
そこはテレビ付きになったようだ |
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ベッドの足元には荷物を置く棚があり
貴重品などを身近において置ける
壁には小さなフックがついていて
カメラなどを引っ掛けておくのに便利だ
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照明も十分に明るい
これならば貴重品だけ身につけて
他の荷物はこの中に置いておけるので
船内での行動がかなり自由になる
いままでは
2等船室の乗客はなにをするにも荷物を持って
歩かなければならなかった
新日本海フェリーさんの大胆な改革に拍手! |
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わたしの寝床は
A6号室 104
ツーリストA 28900円(軽自動車一台含む)
今夜はぐっすりと眠れそうだ
2:00頃 就寝 |
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