二日目 ベタ凪日本海を北上 四度目の北海道 余市へ
2013.09.10
 
   8:30 起床

よく寝た・・・
背中にエンジンの心地よい振動が伝わってくる

それに
普通の船ではあまりないことだが
船が前進して行くかすかなGを感じる
30ノット近い速力を誇るこの船ならではの感覚だ
   海上の状態を確かめようと
フォワードサロンに行ってみる

ツーリストクラスの階のフォワードサロンは
喫煙所になっている

   ・・・・おおっ!
穏やかじゅないか

これなら快適に過ごせそうだ
   佐渡島はるか沖を航行中

本州の陸地からは200kmも離れている
  サイドデッキの窓から
やさしい日差しが差し込んでいる
  その窓から覗き込むと・・・・

うわっ!
ベタ凪じゃないか!

波どころか
海面がまるで鏡のようだ

後で船員さんに聞いたら
「この時期にこんな穏やかな状態は珍しい」とのこと
  地上波がアナログだった頃は
ノイズがひどくて見るに耐えなかったが
地デジになって
船のテレビもよく写るようになった

今や「キレイに写る」か「全く写らない」の
どちらかになった

  朝食用に
お茶と十勝クリームパンを買って
オープンデッキに出てみる

さわやかな晴天
  水平線もとてもきれいに見える

こうして
船の航跡が伸びる水平線を
これまで何時間見つめただろう

全く飽きることのない船旅の景色
むしろこれを見たいがために船に乗る
 
  動画 新日本海フェリー「はまなす」
オープンデッキ
(再生にはQuickTime が必要です)
   おっ

あのレゴみたいなのは煙突だな

何回も乗ってるのに
見えるの気づかなかったなぁ
   9:30
入浴ターイム!!

前回は荒天のため閉鎖されていて入れなかった
オーシャンビューのお風呂に
今度こそ入ろう!!

  意外と広々とした浴室内
奥にはサウナルームもある

窓から海を眺めながらゆっくりと体をほぐす
贅沢だなぁ〜

ちなみにお風呂は何度入っても無料
 
  風呂上りにオープンデッキに出て
さわやかな潮風に吹かれる

それにしても
「鏡のような」としか形容のしようがない穏やかな海
こんなの見たことないなぁ・・・・

昔の海軍の軍歌に
「鏡のごとき黄海は〜♪」って歌詞があるけど
ホントだったんだね
  10:10 
姉妹船「あかしあ」と行き交う

これもこの船旅のいつものイベントのひとつだ
  ・・・・しかし
いつもは旅を終えた後
あれに乗って舞鶴を目指しているわけだから
乗ってる気分も明らかに違う

今回はこれから旅が始まるのだから・・・・
 
  「あかしあ」との行き交いを見物しに
多くの乗客が集まってくる
なにしろ
船の上では基本することもなく
なにかしていないと退屈でしかたがない
なので
ちょっとしたイベントにも
みんな乗ってくる
 
  わたしも
以前の航海でヒマを持て余した経験を踏まえて
今回は本を4冊ほど持ち込んだ

ずっとこの席に座って
小説を読んでいたのだが・・・
   11:00
・・・なんだか人が集まってきた

ふと見ると
「船内ビンゴ大会」の文字が!

ここでやるんかいっ!
  ・・・とかいいながら
しっかり巻き込まれる
  賞品は
船内で使える3000円分の商品券や
北海道で人気のお菓子
Tシャツやタオル、絵葉書などだ

十数回の抽選で
初のリーチの声が上がる
ちなみに
これまでに最初にリーチがかかった人で
賞品をゲットした人はいないそうだ

ビンゴ大会はにぎやかに進み
手前に写っている山本さん一家がほとんどの上位賞品を
獲得するという展開になった
  ・・・わたしはというと
ご覧ください
この引きの悪さ!!

Bのとこなんて一個も開いてないさっ!
くじ運の悪さを確認して
ビンゴ大会は終了
 

ちなみに
最初にリーチがかかった人は
やはり賞品をゲットできませんでした・・・

   12:20 
レストランで昼食
札幌スープカレー 980円

今回は札幌にも立ち寄れないし
あまりあれこれ食っている時間もない

なので
北海道のものをここで食べておくことにする

これがとてもおいしかった
ブームになるのもわかるね
  マッサージチェア 10分間 100円

たいして疲れていなくても
つい座ってしまう魔法の椅子
   ゲームセンターもある

普通のゲームだけでなく
奥にはエアホッケーの台がふたつ設置されている
  ここでトイレのおはなし

海が荒れると船は揺れる
そのため
トイレのドアには強力なマグネットが取り付けられていて
ドアがバタバタ動くのを防いでいる

このマグネット
初めて入ってドアを閉めようとすると
強力な磁力を発揮してなかなか閉まらない
力を込めて引っ張ると
バコン!!
という大きな音がして外れる

ドアが壊れたんじゃないかと思う人もいるらしい

   16:00 
再びオープンデッキに出てみる


5時の方向はるか遠くに
日本最大の無人島である渡島大島(松前大島)が
うっすらと見える
  3時の方向に目をやると
奥尻島が大きな雲の帽子を被っている


想像より大きな島だ
横長のローフォルムが美しい


最高峰は神威山(標高584m)
西部は温泉地帯だそうだ
   1時の方向にうっすらと見えるのが積丹半島

以前「一般道で北海道の旅」で行ったなぁ

島武意海岸はとてもきれいだった・・・・
  断崖絶壁が連なる 奥尻島の地形

奥尻島というと
1993年の北海道南西沖地震の際の津波の被害を思い出す
わたしが初めてリアルタイムでニュースを通じて目撃した
津波の大被害だった
東日本大震災では奥尻島の教訓が生かされたはずだったが
人が考える以上の自然の驚異には抗いようがなかったようだ・・・


  午後になって若干さざ波が立ち始めたものの
あいかわらずおだやかな海面状況

こんな船旅は二度とないんじゃないだろうか
  その頃ホールでは
シンガーソングライターのペリーさんの
コンサートが行われていた

船会社も
なんとか乗客が退屈しないようにと
いろいろ努力してくれている

ちなみにカンファレンスルームでは
今回も映画の上映が行われている
今回は
「ゴースト ニューヨークの幻」と
「犬と私の十の約束」が上映された
  公衆電話も設置されているのだが
こちらは未だに
テレホンカード専用

・・・テレホンカードって
みんな持ってる?

わたしゃ持ってないよ?

もちろん
フロントで販売しているのでご安心を
  上階のフォワードサロンに行ってみる

こちらは禁煙となっている
やはりハイクラスデッキのサロンだけあって
内装もゴージャス



  船は積丹半島の先端を回る針路を取っている
半島を回れば小樽はすぐそこだ
 
   日が暮れてきた
乗客の皆さんが集まって夕陽の撮影会が始まる

晴れた日だけの
船上イベントのクライマックスだ
   動画 新日本海フェリー「はまなす」
オープンデッキからのサンセット
(再生にはQuickTime が必要です)
   水平線の雲間に夕陽が沈む

乗客たちは太陽が完全に水平線に消えるまで
見つめ続けていた

ロマンチストなのか

単にすることがないのか・・・・・
  18:00

それでは
船の上での最期の食事と参りましょう

レストラン ジュピターは
サイドデッキの反対側にある


  夕食はビストロ形式

ライス 200円
味噌汁 100円
肉じゃが 420円
フルーツムース 280円
じゅんさいの酢の物 180円
松前漬 150円

合計 1330円

フルーツムースは
ハウ○の○ルーチェみたいだったが
他のものはとてもおいしかった
  結果 これが
この旅で一番高価な食事になった

・・・そして
風呂も・・・
   レストランからオープンデッキに出ると
沖合いのイカ釣り船の漁火が水面を明るく照らしていた
   船は積丹半島を回って石狩湾へ突入
  小樽の街の光が見えた
石原裕次郎記念館の近くにある観覧車の照明が
きれいな光の花模様となって漆黒の海を照らす
   下船準備開始
他の皆さんは今夜は小樽で一泊だろうが
わたしはこれから宿泊地の余市へ向かわなければならない
   トッポちゃんと20時間ぶりの再会

さあ
始まるよ!

ここからがお前とのふたり旅だ
   20:45 下船上陸

広島ナンバーの軽自動車で
4度も北海道に上陸したクルマは
そう滅多にいないんじゃないだろうか・・・・

  「はまなす」ともお別れ

この旅が終わったら
なかなか乗る機会もないだろう

お世話になりました
  いつもは必ず寄って行く小樽市内を
あっさりと通過

大好きな街だからこそ
今回はスルー

次に小樽に来るのは
もっと年を取ってからにしたい
そうすればこの街はもっと光り輝いて見えるだろう

海岸線の道をひたすら余市に向かう
ところどころ工事で片側交互通行になっていた
   21:21 
道の駅 スペースアップル余市 着

今夜はここで車中泊だ

  窓の遮光をして
寝床を展開
車中泊準備完了!

車内温度は24.5℃
北海道とはいえまだ9月の上旬だ
寒さ対策もいろいろしてきたが必要なさそうだ

明日はいよいよ
最終目標の北海道最西端へ向かう

 22:00頃 就寝