四日目 ふたつの「鹿」と被災地を訪ねる東北の旅
2013.09.12
  7:00 起床
今朝の車窓 
どんより曇ってるなぁ・・・

   車内温度は26.4℃

蒸し暑くて寝苦しかったけど
疲れてたのでいくらか眠れた

やはりジメジメが
車中泊の敵だな・・・・

エアコンをかけっ放しで寝る人もいるが
燃料食うし周りにも迷惑だからやらない

船の中で少し寝てなかったら
完全な睡眠不足になるところだった


  車中泊セットを片付けたらまず窓拭き

視界確保もあるけど
車内から撮影する時汚れが邪魔で
ピントが合わないことがあるので
毎朝の日課になった



通りかかった軽トラのおじさんが
トッポのナンバーを見て
情感溢れる東北弁で
「遠くから来たなぁ〜」と言いながら
通り過ぎていった

  朝食
ミックスサンド 250円
ペプシコーラ
リンゴ 
   知らずに泊まったが
道の駅に隣接しているこの大太鼓の館は
地元綴子(つづれこ)地区に伝わる
世界一の大太鼓をはじめ
世界各国の太鼓を展示している博物館だそうだ
   おっ

ここにもクマっぽい岩が・・・・

クマというよりイヌ?
  割と広くて車中泊しやすい環境なのに
誰も泊まっていないと思ったら
 トイレがボロくて一部使えないからのようだ

しかたがないので
もう少し先に行って他の道の駅で
洗面を済ませることにした


7:45 発
   交通量が増えても国道7号線は
あいかわらず走りやすい

こういう道で気をつけなければならないのは
追突事故・・・・


思った矢先
対向車線で追突事故が発生しているところを
通過

うひー・・・

気をつけよう
   8:10
道の駅 ふたつい 着

このあたりは道の駅がたくさんある


 
ここの施設は
トイレも水道も整備されていてきれい

8:25 発 
   能代市に入り能代バイパスに乗る

今日はこれから男鹿半島へ行き
次に牡鹿半島を目指す

どちらも「オスのしか」の半島だけど
片や「男鹿」(おが)
片や「牡鹿(おしか/おじか)」

半島ということろは
そんなにシカがいるものなのかな・・・
  国道7号線から
国道101号線男鹿街道に乗り換える

さすがに秋田は穀倉地帯
田んぼの広さもハンパない

  国道101号線から牧野交差点を右折して
県道55号線に乗り
男鹿半島の端を目指す

ところどころ集落を通り道が狭くなる

   実は
ここに来たのは「なんとなく」

前から「行ってみたいな」と漠然と思っていた
なぜ行きたかったのかもよくわからない


テレビで見たのか本で読んだのか・・・

それとも
東北の日本海にぴょこっと出ている半島が
気になったのか・・・・

まあ
行けば半島なんだから「端っこ」くらいあるだろうと
これまた漠然とした計画しか立ててこなかったので
「端っこ」が入道崎という名前であることも知らずに
ここまでやってきた
   9:35 男鹿半島 入道崎 駐車場 着

おおっ
いかにも観光地らしく
広い駐車場の前に
お土産物屋が軒を連ねている
  お土産物屋さんの店先には
なまはげ軍団

一番右のヤツは手と顔を動かし

「うおーっ!
おらぁなまはげだぁーっ!!
悪いご(子)はいねがーっ!!
うぉーっ!!」
と叫び続ける「なまはげロボ」だ
   入道崎灯台は白と黒のストライプ模様
   地元の皆さんが
草刈り作業をせっせとこなしていた
   ふーむ

漠然と来た割に良いところだなぁ〜

空も海も草原も広い
端っこらしい「外に向かう開放感」が
存分に味わえる
   草原の真ん中に
大きなモニュメントが建っている
   北緯40度の碑か・・・・

北緯40度線上には
アメリカのニューヨーク
中国の北京
スペインのマドリードなど

世界の主要都市がたくさん存在するので
社会科の問題でよく出るそうだ
   灯台の前に浅瀬がある

岬に暗礁は付き物だが
ずいぶんと平たい浅瀬だ

こういうタイプの浅瀬は
わずかな潮の満ち引きで
すぐに水中に隠れてしまうため
ゴツゴツした岩礁よりも座礁する危険性が高い

海運的には厄介だが
こういう浅瀬は海洋生物の宝庫で
タイドプール(潮溜まり)には浜辺の生物だけでなく
沖に暮らす海洋生物も見ることができる
)
   入道崎灯台

初点灯 1898年(明治31年)11月8日
塔高 27.92m
コンクリート造
光達距離 20海里(約37km)
レンズ 第三等大型フレネル式
  白地に黒のストライプは
海上からも視認しやすく
位置確認に役立っている

ここは海に沈む夕陽が美しいことで有名で
日本の灯台50選に選ばれている

入場料 大人200円
  ・・・かっ

海底透視船〜っ?! 


海底を・・・

透視しちゃうの?
   一体どんな特殊な船だと思ったら
グラスボートでした・・・
   結局
何に惹かれてここへ来たかったのか
最後までよくわからなかったが
思いがけず良いところだった

10:00 発
   景色が良いので
灯台の近くの道を行ったり来たりしてみる

なんだかんだ言って
すっかりここが気に入っている
  さーて
昨夜は入れなかったけど
ここらでお風呂に入りたいよ
灯台の近くに男鹿温泉郷というところがあったので
さっそく行ってみる
10:10
男鹿温泉郷 着

観光協会で
「風呂だけ入れてくれるところありませんか?」
と聞くと
「あああ・・・今の時間はどこの旅館も
お湯を抜いて掃除している頃です」という
衝撃の回答がっ!!
さらに
「公衆浴場があるのですがポンプが故障してて
温泉でなく沸かし湯になります」と・・・

そんなぁ〜・・・とほほ
10:03 発
  一応公衆浴場の場所を聞いたが
温泉でないと聞くと行く気がなくなってしまった

このまま
次の目的地 牡鹿半島の端っこである
御番所公園を目指すことにする
  県道55号線を戻り
牧野交差点を右折
国道101号線の乗り換えて
秋田自動車道の入り口に向かう

・・・あ
そうだ

高速道路に乗る前にやることがあった
  10:44
ホーマック 着
函館のガソリンスタンドで
「切れてます」と言われた
ハイマウントブレーキランプの球を買う
  トッポのハイマウントブレーキランプは
電球が3個使われている
そのうち2個が切れていた
分解して電球を交換する
見ると3個とも黒く焦げていたので
全部新品に交換した

11:00 発
  道端にも巨大な
なまはげ兄弟がそそり立つ
  昭和男鹿半島インターチェンジから
秋田自動車道に乗る

宮城県石巻市までは遠いので高速道路活用
   秋田自動車道から
東北自動車道に乗り換えて一気に東北を横断する

・・・つもりだったが
   おや?
渋滞してるじゃん
  道内の一般道でたくさん遭遇したが
高速道路でも片側交互通行の連続・・・・ 
   おまけに
天気もかなり怪しくなってきた

あ・・・
動物注意の標識の絵が
ニホンカモシカだ
   
  12:46 錦秋湖サービスエリア 着

サービスエリアのスタンドで給油
走行距離369.2km
給油量 21.74リットル
燃費 16.98km/リットル
燃料単価 161円

燃費はまずまずだけど
ガソリン単価が上がってきたな・・・
  とりあえず
ここで昼食を摂ろう
  比内地鶏うどん 650円

期待していなかったが
これがすごくうまかった

濃い出汁と鶏肉の油がベストマッチ

安くてもうまいものはあります!
  売店でこんなものを見つけた

アイスバターもち 315円 

凍っているので
5分間ほど常温で置いておくと食べごろだそうだ

食べてみる・・・・

・・・んー

あえていうなら・・・

硬い雪見だい○くの皮食ってる感じ

13:16 発
   北上ジャンクションで東北自動車道に乗った頃
突然睡魔に襲われる

やはり睡眠不足か・・・

雨もぱらつき始めた
  14:14 金成パーキングエリア 着

ここで仮眠をとる
長距離トラックの運転をしている人に聞いた
効果的な仮眠の方法を試す

クルマを止めたらドアをロックして
一気に意識を「落とし込む」
なるべく深く眠るようにする
目が覚めてもけだるさが残っている場合はもう一度寝る
目を開けて普通に起きている状態の脳になったら出発

14:40 発 


なるほど
短時間でずいぶんすっきりした
   トラックが増えてくると
いつもの90km/hバトルが始まる

誰がトラックにリミッターなんかつけろと言ったんだろう
おかげで両車線をふさがれて「ぬりかべ状態」だよ・・・
   古川インターチェンジで高速道路を降りて
国道108号線で石巻市へ向かう
   あの忌まわしい大震災から2年半

これから通る石巻市は壊滅的な被害を受けた
徐々に復興しているとはいえここはまだ「被災地」だ

元の姿に戻るには長い時間がかかるだろう
  16:00 石巻市内に入る
一見
街道沿いには店舗が立ち並び
街は元の姿を取り戻しているように見えるが
真新しい家ばかりが立ち並ぶ風景は
かえってここで何があったかを物語っている
  大きな建物ほど
その爪痕を残したままだ 


とてもクルマを降りて見物なんて出来ないので
車窓からの撮影になる
  牡鹿半島に入った

リアス海岸の地形をなぞるような
県道2号線を行く 


前のトラックが積んでいるのは
大型のロケットランチャー・・・ではなく
コンクリートの電柱

電柱を4本も積んでいるのに
結構なペースで走る

ちなみに
最近は「リアス式海岸」ではなく
「リアス海岸」って言うらしいです・・・
  入り江に差し掛かるたびに
不自然な空き地が広がる

かつて
ここに人の営みがあった・・・

道路はとても荒れていて時々路面から
激しい衝撃が伝わってくる
  16:55 牡鹿半島 御番所公園 駐車場 着

その名の通り
江戸時代に仙台藩がここに外国船を警戒するための
番所を置いていたところだ


現在復旧工事中らしく
公園の隅には重機が置かれていた
   ここは牡鹿半島の最南端にもあたる

子供の遊べる公園でもある

ここは草地の斜面をそりですべって遊ぶ
ちびっこゲレンデ
  放置され
水が溜まったそりが物悲しい・・・ 
  長いローラースライダーは
錆びつき始めている 
   駐車場には
定置網らしきものが一面に広げられている
津波で流出したものか?
  暮れ始めた石巻湾

ここであんな大災害が起きたとは思えないような
静かな風景だ 
  上に展望棟があるらしいので
歩いて行ってみる
   展望棟は跡形も無かった・・・・
   隣に見えるのは金華山
日本で始めて黄金を産出したところと言われていて
朝廷に献上され詩に詠まれたことから
島なのに「金華山」という名前らしい

南三陸金華山国定公園に指定されているため
手付かずの自然が残されているそうだ
   
   来てみてわかった被災地の現状

改めてあの大震災を思う

・・・あの時募金もしたし救援物資も送った
しかし
西日本の人間はどこかで「対岸の火事」のように
思っている傾向がある
あの時西日本の大地は微動だにしなかったのだから
実感がないのはしかたがない
同じ日本でも乗ってるプレートが違うだけで
これだけ違うのだ
間もなく来る南海トラフ地震の時に思い知ることになるだろう

東北の人たちは立ち上がろうとしている
しかしまだ片膝をついた状態であり
その傷はあまりにも深い・・・・

17:24 発
  小雨が降り始めた

次の目的地は
千葉県の犬吠埼だ

距離が長いので高速道路を使いたい
どうせなら
どこかのサービスエリアで一泊して
ETCの深夜割引を利かせたいところだ
   石巻市を出る前に日が暮れた

街灯が少なく
街の真ん中なのに薄暗い
  石巻バイパスを通って
国道108号線に合流

再び古川インターチェンジから東北自動車道に乗る
 
   19:53 
菅生サービスエリア 着

ここで夕食を摂ることにする
  仙台味噌カツ丼 880円

これまた濃厚な味付けでとてもおいしい
活力つきそう!
   
  駐車場を見回すと
隅っこに車中泊に最適な場所を発見

よし

ここをキャンプ地とするっ!

ここなら
トイレも売店もガソリンスタンドもある
思惑通りここで寝て通行料も深夜割引に引っかかる

良いことずくめだ
  車中泊キットを展開して車内温度を測ると
27.7℃もあった
暑いなぁ・・・
小雨降ってるし・・・

ふと気づいた
エンジン停止後
しばらくエンジンの熱が室内に伝わってくるので
エンジンが冷めるまでは室温が下がらない
エアコンを強くかけて温度を下げてからエンジンを停め
寝るようにしていたのだが
結局エンジンの熱で温まってしまっていたようだ

うーん
やっぱり車中泊は春か秋だな・・・・

21:00頃 就寝